
お客様にとって「特別な日」には、岐阜県高山市にある「北イタリア料理 Ristorante LA FENICE( リストランテ・ラ・フェニーチェ)」で、イタリアンを是非お楽しみください。
じっくりと手間暇かけてお作りする北イタリア料理を、貸し切りの店内でお楽しみいただけます。
大切な人とのお食事や記念日には是非当店をご利用くださいませ。



店主は、イタリア料理はシンプルな料理だ、と考えています。この場合の『シンプル』の意味は「質素な」とか「簡単な」という意味ではなく、余計なものを削ぎ落として核心だけが残ったもの、という意味での『シンプル』なんです。
イタリアという国では、何事においても、物事を突き詰めていくほど、余計なものを削ぎ落として核心だけが残るようになります。お隣のフランスが、いろんなものを付け足して、
どんどん豪華になっていくのと対照的なのが面白いですね。当然、料理においても、とにかくいろんな材料を加えたソースで味付けし、見た目も豪華に飾りつけるフランス料理に対し、イタリア料理は、最小限の素材の組み合わせで最高と思われる味を引き出す料理であり、見た目も素っ気ないくらい飾り気がないですね。でも、そのシンプルさ故、毎日毎食パスタを食べても飽きないのだと、店主は思うのです。そういう意味では、ずーっと飽きることなくご飯を食べ続けている日本人には、一番理解しやすい事であるはずなんですが、なぜか日本では、余計な材料を加えたり、ヘンに飾り立てたりした「イタリアっぽい料理」あるいは「和風イタリア料理」とでも言うような料理が多く、またそれが流行るのが不思議なんですよね。
もちろん、日本的にアレンジするという、日本人的行為を全て否定するつもりはありません。本家の中国でさえできなかった『インスタントラーメン』という世界的発明が出来たのも、日本人の持つそういう性質があったからだと思うのですが、イタリア料理に関しては、余計な事をせず、その特徴である「シンプルさ」を生かしておいてほしいと心底思います。
余計なものを削ぎ落として核心だけが残った『シンプル』なイタリア料理の中には、イタリア人の持つ『美学』がぎっしりと詰まっているわけで、それ故、厳然とした『ルール』が存在します。また、料理に限った事ではありませんが、シンプルなものをきちんと仕上げる事は、ごまかしがきかないだけに、それだけの技術と手間を必要とするわけです。そういう意味においてもイタリア料理は、すごくストイックな料理だと思うのですが、それだからこそ、店主はイタリア料理に惹かれ、30年以上もイタリア料理だけをやってきたのです。
もちろん、店主がイタリア料理の奥義を全て得とくした、などと言うつもりはありませんが、イタリア料理に対して、敬愛の念を強く抱いている事だけは間違いない。だから、イタリア料理のルールも知らず技術もない人が、見た目だけイタリアっぽい料理を『イタリア料理』と名乗って出している事に対して「なめとんのか」と思う、というのが本音ですね。
まぁ、こんな事を言ったところで、世の中の大部分の人には理解される事はないと思います。この事は、いわゆる「解る人には解る」という類の事だと思うのですが、ウチの料理を食べてもらう事で、解ってくれる人が一人でも増えてくれればいいと思いますね。

ヴェネツィアの、世界で最も美しいと言われていた歌劇場 Gran teatro la Fenice の名から取りました。劇場は1996年に焼失しましたが、2003年、名前どおり、最新の設備を完備して以前と同様に美しく甦り、2005年の春には日本で引越公演が行われました。
店主がこの仕事を始めた頃には、将来自分の店の名前はLA FENICEにしようと決めていましたが、高校生の時オペラにハマり、イタリア語を齧っているうちに、なぜかイタリア料理の世界に入ってしまった店主にとって、これ程相応しい店名はないと自画自賛しています。
